今月のコーヒー【10月】
~タンザニアのコーヒー生産~
タンザニアのコーヒー産地は主にキリマンジャロ周辺、西部のキゴマ、そして南部のンペアで行われています。ほとんどが小規模農家中心に栽培が行われており、精選は主に水洗式が取り入れられています。
~タンザニア ンべア アフリカン キャノピー ウォッシュド~
近年タンザニアのコーヒーの約75%を生産するンべアやンボシなどの南部地方は、緩やかな広陵が連なる地形で、コーヒー栽培に適した広大な土地が広がっています。キリマンジャロ山を擁する北部とは異なる気象条件になり、南部は海から遠く、高い山も少ないため、雨雲が発生しにくく、降水量が少なく気温が高いことがコーヒーの安定的な生産の障害となっています。コーヒーの生産には安定した水の供給が不可欠ですが、この地域は湖からも離れており、十分な水源を確保できないという課題があります。そこで始まったのが、「アフリカン・キャノピー・プロジェクト」。在来種の木の苗を配給し、農園のシェードツリーとして利用することで、コーヒーの木を高温から守り、さらには地域の気候温暖化の緩和に寄与しようという取り組みです。コーヒーを購入いただくと、収益の一部がプロジェクトに寄付され、シャドーツリーの苗の生産と配給の費用に充てられます。シャドーツリーは強い日差しからコーヒーの木を守り、収穫量も増えるという利点があります。タンザニアの中で、一番の生産量を誇る南部エリアはまだまだポテンシャルが高く、これからより注目されるエリアとなります。是非この機会に南部産のタンザニアコーヒーをお試しください。
山崎進午